ポストコロナを見据えた世界

世間はパンデミックの脅威を乗り越えた。と言っては言い過ぎだが、世界的にみると過渡期は過ぎた様相だ。
世界の航空需要、国際線においてはパンデミック前の6割までは復調してきている。
前年比で最も伸びを示したのは欧州で425%となっている。ロシアのウクライナ侵攻があるがその影響はほとんど見られない。ウクライナ周辺国から国外へ避難する人々の動きもあるようだ。
そんな中、アジア太平洋の回復は2割弱と大幅に遅れをとっている。政府の規制が要因の一つである。
日本での国際線においては2022年10月11日以降から訪日客の上限が撤廃され回復が予想される。

国内線については、各国堅調に推移しており。日本においては2019年度比47%まで復調している。アメリカ、ブラジルも順調な回復ではあるが、中国のみオミクロン株流行による大規模ロックダウンや行動制限により、大きく減少したままだ。

一方、旅客輸送の穴を埋めるべく進めた国際貨物輸送は順調に増加している。コロナ禍で需要が高まった、電子半導体部品、自動車、医薬品などの国際輸送を担い、2019年の貨物量を上回る水準で2021年以降は推移しておりその役割を果たしている。
ANAなどは戦略的に増やすことで減少した旅客分を補う戦略をとっている。

JALはLCC戦略を本格的に始動させ、中距離国際線のLCC「ZIPAIR」でホノルル線を再開、シンガポール線を就航した。
JALは、3社(Jetstar、ZIPAIR、春秋航空)をグループLCCとしたことで、今後のLCC体制の構築を進めている。

航空業会誌によると、回復のキーワードは、定時運行便と、LCCだという。
制限ある時間での旅行者や、ビジネスでの利用には、定時運行というものは大変重要な事項である。
また、短距離での運行や、格安に重きを置くLCCにおいては、パンデミック化であっても業績を伸ばすことができたようだ。

世界空港の定時出発率ランキングの1位になったのは羽田空港だった。中規模空港、小規模空港でも、関西国際空港と、松山空港が1位となり、日本が占めた。日本の航空業会のこれからの復調が期待される。